導き・六


フォン―…









悟浄は錫杖を取り出し
屋敷のエントランスに入り
左右を見渡した









「おっじゃましまーす」








小声で呟き奥へと進む

妖怪の気配が2階からする



悟浄はゆっくりと階段を上ると
ギシリギシリと床板が鳴いた








「リフォーム位しろってんだ」








あちこち階段の床板に穴が開いてるのを避けながら
2階の1つの部屋の前にたどり着いた








「ここ…か」









扉の横の壁に背を向け
扉の奥の様子を窺う








『ぎゃははははっ!
次はもう少し南にある町にでも行ってみるかぁ!』


『いいな!
まぁこの女達みたいに器量が良けりゃいいんだがなっ!』


『おらっ
酒を注げ!気の利かない女め』


『なら喰っちまうか!
腹も減って来たな』


『それもそうだな
よし喰っちまおう』



『キャーーーーッッ!!』

















バァンッッ!!













『だ、誰だっ!』


「てめぇらに名乗る名前なんか
ねぇっつーんだよ!」








悟浄は錫杖を振り回し室内にいる妖怪達は

【ただの肉の塊】

となった…



悟浄は部屋を見渡した

部屋には怯えた女達が10人程
左右に分かれて互いに抱き合う様に座り込んでいる







.

[ 76/216 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -