導き・参
「おい!
その話詳しく聞かせろっ!」
「おいッ悟浄!?
急にどうしたんだよっ!」
『何だ兄ちゃん
この辺りじゃ有名な話だぜ?』
悟浄は胸元のネックレスに付いている翡翠のピアスを掴んだ
「まさか…悟浄」
「分かんねぇ…
違うかもしれねぇ
違うって思いてェぜ…」
悟浄はグッと握り拳に力が入った…
客の話によると
その翡翠のピアスをした娘は今から1ヶ月程前
この町の近くのアジトに黒い布で全身を覆った人達に連れて行かれているのを
何人かの町の住人が目撃したと言う
その娘が目撃された時
娘が床に倒れ
翡翠のピアスが落ちた事で
【片耳に緑色の涙みてぇなピアスをした娘】
と町中で噂になったのだ
「おいっ
そのピアスはどうした!」
『あ〜確か目撃した桟吟が持ってるらしいぜ』
『桟吟なら今頃町の酒場にいるぜ?』
悟浄はそのまま飯屋を飛び出した
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