翡翠の涙・弐


「くぁーッ!
もう妖怪マジうぜぇ!」


「マジって何だ」


「三蔵
本当にって意味ですよ」


「マジよえーッ!」








相変わらず妖怪退治に明け暮れる日々








「マジ死ね」


「うわ キツ…」


「マジこえーですね」


「三蔵マジやべーよ それ」








他愛のない話で盛り上がりながらも足元には妖怪の躯が積み重なる








「これでラストォ!」








悟空の1撃で足元には更に躯が増え
目の前にいた妖怪達は消えた








「ったく
よえー癖に来るから
マジ腹減った!」









相変わらず不機嫌になる悟空を宥めて新しい町へとジープを走らせた


その町は質素ながらも妖怪に襲われた事もなく
穏やかな町だった









「小さな町ですが平和
って感じですね」


「こりゃ女の子には期待出来ねェなぁ」


「くだらねェ」


「健全な青年なら当然だろ?」








悟浄はタバコをくわえケラケラと笑う





夜になり夕飯を済ませた後
悟浄は缶ビール片手に1人町をブラブラと散歩をしていた









「ほーんと何もねぇな」








溜め息混じりに缶ビールを
グイッと飲み缶をグシャリと潰す



そんな時遠くから女の悲鳴が聞こえた


悟浄は慌てて声のする方へと走る


建物と建物の間から
うっすらと人影が見えた








「やだッ!
止めて!!」


「うるせェ!
それを渡せ!!」


「これはダメ!!
薬が買えなくなるの…!」









(かつあげかよ…)









悟浄は溜め息を着きながら頭を掻いた









「はーいそこまで
男が女から金巻き上げるなんざ
ダサ過ぎっしょ?」








悟浄の足が男の頭を蹴り飛ばした






.


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