桜散る・弐
それはまだ俺と三蔵が八戒と悟浄と出会う前の話
俺はその頃いつもいつも周りのおっさんの陰口を耳にしながら生活していたんだ
けど俺は別に平気だった
だって三蔵がいたし
外にも自由に行ける
腹は減るけど
毎日三蔵に怒られるけど
それでも
『あーこれが日常ったヤツなのかな』
って思ってたんだ
そんな時に変な人達が来たんだ
どうやら三蔵に会わせるため
とか聞こえてきたんだけど
三蔵は
「猿てめェは部屋にいろ」
とだけ言って暫く戻って来なかった
腹も減ったし
俺はいつもの通りに部屋を出た
「ったく三蔵どこ行ったんだよー」
廊下を走りながら左右に視線を向けるも
一行に三蔵の姿は見えない
グ〜……
空腹の腹をさすって
「腹減ったァ…」
と呟いた
.
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