血の夜/六

 
古城の中は日も落ちたこともあってとても暗く
心霊番組なんかで見るような不安のある城内にゴクリ…と喉を鳴らした



あちこちにはランプで明かりが灯り
足元は見えているものの、石垣の壁や通路はどうも冷たさしか感じない




しかし、それよりも未確認生物がいるかもしれない
この衝動で興奮せずにはいられない――















「あのッ!!
あっちは地下ですか?
地下は何がありますか?」


「あーいくつかしか利用してねーけど
ワインセラーくらいしか俺は使ってねーなァ」


「拷問部屋とかないんですか…?」


「誰をすんだよ誰を」















そりゃそうかと思いつつ地下が気になってしまう。
悟浄はため息を漏らしながらもクスッと笑みを零した















「行ってみっか?
希望に添えるかわかんねーけどな」


「いいんですか!?」


「ああ、でも入らない方がいい部屋もあっから気をつけろよ?」


「入らない方がいい部屋?」


「ああ、古いから崩れやすいんだよな
だからいくつか封鎖もしてるって訳」


「なるほど…」


「ンじゃ行きますか」















悟浄は近くにあった明かりと取ると地下への階段に誘導した



暗い地下は更に温度が低く感じ
悟浄の後ろを歩きながらも両手で自分の身体を摩りながら付いて行った














「ここがまァワインセラーだな。
俺は大半この部屋にしかこねーけど」


「あっちとか行かないんですか?」


「そうだな。
用事もないっちゃねーし、地下の部屋はどこも寒いからな」



「へー…あの部屋は何ですか?
ドアが結構綺麗ですけど」














ワインセラーの部屋の数部屋先の向かい側
そこは他の部屋と違ってドアが立派のように見えた

しかも出入りがあるかのようにドアノブも綺麗で
まるで毎日使っているかのように…












「あーそこは昔の宝物庫ってヤツ
この前にドアがぶっ壊れてな、修理したばっかなんだよ」


「宝物庫!?」


「ああ、中は何もねーぜ?
祖先が使い尽くしたからな」


「そっか…」








.


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