大切なもの/六

 
「…ほむ…」









訳が分からなかった。



突然現れ
カミサマと戦ってる人をよく見たら


"あの人"
だったなんて…。





まるでスローモーション


彼がゆっくり倒れて行く。









「ほ……」









惷香が無意識に声を上げる瞬間、是音の魔神銃が鳴った








ドガガガガガガ









「無駄だよ。
キミ達神様…なんでしょ?
だったらさぁ」









クスクス…と笑いながら
カミサマは両手を広げた









「僕にもそんなの効かない事位分かってたんじゃないの?
僕を偽者だなんて…」








ふわり…と飛び上がり
着地したのは惷香のすぐ隣









「………!?」


「酷い事言うお兄さん達に
惷香ちゃんは渡せないなぁ」


「惷香!!」









グワッ…と抱き上げられた惷香の身体


カミサマに脇に抱き抱えられたのだが、逃げる事も逃れる事も出来なくて…









「ぐッ…はなッ…!」


「暴れないでよ。
傷口にホラ」









抱き抱えられた腹部にカミサマの腕が食い込み
傷口にはカミサマの手が抉るかの様に入る








「ぐぁッ…!はッ!!」


「貴様!
惷香を離せ!」


「嫌だよ。
だってキミ達勝手に僕のお城に来て、勝手に奪おうだなんて…
許せないな。」









ゾワッ――…









笑顔の奥の残虐さ

まるで無邪気な子供の残虐さが、カミサマから漂って来た









「はッ…!くッ…」


「惷香…!
これ以上貴様と遊んでいる場合ではないようだな。」

「…負け惜しみ?
見苦しいね」


「どうとでも言うがいい」










汚れを落とすかの様に
刀を横に1振り




その瞬間
焔はカミサマの目の前に現れた







.

[ 188/216 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -