大切なもの/四

 
「あげないよ。
僕のモノは渡すつもりはないからね。」


「てめえのじゃねぇだろうが!この偽者野郎!」










ドガガガガガガッ――…!








是音は魔神銃をカミサマに向けて放った



だが、ふわり…と避け
床へと軽く着地する








「あっぶないなぁ
お兄さん、そんな物騒な物
人に向けちゃいけないって教わらなかったの?」


「生憎と、神様ってのは
そんな教育は受けないンでな。」


「是音。」


「おい紫鴛。
横取りかぁ?」


「貴方の武器をむやみやたらに振り乱すと、彼女に当たり兼ねませんからね。」








数メートル離れた位置で
訳も分からず、目を丸めながらも冷や汗を流す惷香は
露になった3人の姿を見た








「…………あ……」


「惷香…」


「貴方…達…は、ッつゥ」


「惷香!!」






傷口を抑え、痛みで顔を曇らせながら身を屈めた惷香に近寄ろうと
焔は咄嗟に前に出る








「「焔ッ!!」」









ドシュ――…








無数の珠がカミサマは金剛杵の1振りで飛び散った









「よそ見はいけないよ」


「紫鴛!是音!」


「…大丈夫だっつーの
これくらい屁でもねえ」


「焔。
彼女の前にまず彼を…」


「…すまない。」









咄嗟に動いた焔を庇い
2人は致命的ではないが
いくつかの珠が、足や腕
肩を貫通した…





焔は2人に申し訳なく小さく項垂れ、直ぐに立ち上がった









「2人は休んでいろ。
俺が片を付ける。」


「お兄さんに出来るの?
そんな手に鎖付けちゃって
僕に勝てると思ってる?」


「ああ。
神様だからな。」







.

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