幸せな未来/壱

 
「……うえッ…」


「惷香?
大丈夫ですか?」


「車に酔ったかなぁ…
ごめんね。」


「具合悪ィんじゃねェか?
あんま無理すンなよ?」


「なぁ俺に寄り掛かって寝てていいから身体楽にしろよ。」


「ありがとう。
でももう落ち着いたから」


「おい
最近体調悪いようだが
医者に診て貰ったのか?」


「あ、ううん。
最近あまり長く同じ街に滞在してないし、落ち着くと思って…」


「あまり甘く見てはいけませんよ?
ストレスで胃や腸に来る事もありますからね。
次の街で一度きちんと診て貰いましょう。」


「まぁストレスの原因は
生臭坊主だっ…」










カチャリ――…











「俺のストレスはクソ河童だクソ野郎。
惷香のストレスを解消するには貴様が死にやがれ!」












ガウン ガウン!












「なんで惷香のストレス解消が俺なんだよッ!
生臭坊主っつったろ!!」


「俺のストレス解消されれば惷香も喜ぶだろーが!
大人しくしてねーと楽に死ねねーぞ!!」








ガウン ガウン!










「だーかーらー!
マジ当たるから止めろっつーの!!」


「当てるつもりなんだよ!
大人しくしやがれ!!」








車の中で
三蔵はシートに片足を乗せ
後部座席の悟浄へと銃を放つ



悟浄は器用に右へ左へと避けながら、悟空、惷香、八戒はいらぬ火の粉を浴びるのが嫌で口を閉ざしたまま
知らぬ存ぜぬで街へと向かう









キキィッ――…!




ドサッ…









「あー八戒
悟浄が落ちたー。」


「キチンと座らないからですよ。」


「でも止めないのね。」


「放っておけ。」


「待てっつーのー!」








こうして5人は新たな街に到着した






.

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