パーティー/六

 
「言っておくがコイツはお前らにやるつもりはない
惷香
こっちに来い」


「え?」


「来いと言っている」


「は、はい」









三蔵は睨むかの様に
腕を組んだままで惷香を見据えて呼びつける








「お前コレを持て」


「……?
はい」








渡されたのは長めのナイフ



三蔵は惷香にナイフを持たせるが自分も支えるかの様にナイフを持っていて








「手を離すなよ」


「……はい」









グイッとナイフごと引っ張られ
ケーキにナイフが突き刺さる








「ケーキ入刀。」


「三蔵ッ!てめッ…!」


「ずっりーぞ!」


「まぁ仕方ありませんね」


「お株を取られてしまはりましたわァ」


「くッ…!
こんな事なら力ずくで…」


「紅…本気なのか?」


「さ、三蔵…」


「例えお遊びでも
お前と誰かが結婚式の真似事をするのは胸くそが悪いんでな」


「…独占欲?」









周りの人はケーキを取り分ける事に夢中な中

惷香は三蔵に頬を少し赤らめながら尋ねる








「当たり前だ
お前は危なっかしいからな
自覚がなさ過ぎんだよ」


「…自覚?」


「とにかく
お前は俺の隣にさえいればいい
分かったか?」


「……はい」









恥ずかしさのあまり
視線を落とし
頬を染め上げる









「キチンと目を見て言え
じゃなければ…」


「じゃなければ…?」








三蔵は惷香の耳元で小さく呟く








「ここで身体に教えてやるだけだ」


「なッ…!?」


「目を見て返事」


「〜〜〜ッ…!
はいッ」


「ふっ」









三蔵は満足気に笑みを溢す







.

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