親友・九


「あの女が何故月にいたのに傷を追う」


「それは攻撃されて…」


「"誰に""何の為"にだ」


「…李塔天がナタク太子を仕向けたんですよ」


「な…んで?」


「あの女を駒にする為
ってヤツだろ?
あの時旦那が瀕死にならなかったのって可笑しな話だろ
何故女だけが瀕死にならなきゃならなかったか…ってか」


「そんな…事…」


「お前に近寄る為だったんだよ
李塔天はお前を手に入れたがっていた
簡単な話だ」


「う…そ…」









立ち上がった足元が揺れた気がした



揺れたのは…自分…








それから程なくしてあの事件が起きた――






惷香が李塔天に捕まり
李塔天の隣には嫦娥の姿があった…








「嫦…娥…」


「惷香…
ごめん…なさい」


「くくく…嫦娥よ
謝る必要などはない
惷香よ…お前も早く私の元へと来れば良かったものを……
残念だ…実に残念だ
この女を連れて来い!」














それからアタシの目の前で惷香は朽ち果てた…





アタシは泣く事も許されなかった




アタシは唯一の"友"を




見殺しにした―――







生まれ変わるならば
アタシはアンタを守りたい







アンタは アイツといたら




また同じ運命になる…






ならアタシは変えてあげるよ










嫦娥は李塔天に加担した罪で
下界へと落とされた






そして 500年の歳月を経て



嫦娥は惷香と再び出会う事となる―――







親友・fin

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