親友・八



その日から数日後



天蓬が何か気になっている様子で医務室に入って来た








「どうしたのですか?天蓬」


「あ、いえ
先程李塔天がいたのですが…」


「…………
李塔天が 何か?」


「随分と若い女性といたもので気になりまして…」


「若い女性…ですか…」








李塔天の事だ
惷香に言い寄ったのと同様に他の女にも言い寄っていたのだろう…





何処まで汚い男か







惷香は口には出さず
不快さを露にするだけだが
天蓬は気付いた様子で直ぐに話題を変えた







暫く経った頃から
嫦娥は医務室にあまり来なくなっていた





惷香も遊ぶ場所ではないと言っていた手前
嫦娥を呼ぶ事も出来ない日々が続いた






惷香はぼんやりと嫦娥の事が気になり
筆を片手に手が止まっていると
金蝉の声が頭上に響いた








「何をしている」


「え……?あ、いえ」


「…あの女か」


「べ、別にそんなんじゃ…」


「お、ツンデレ」


「捲簾ッッ!」


「つんでれって何だ?」


「いいですか悟空
ツンデレとはですねェ…」


「天蓬…いいからッッ!」








騒がしい医務室の中で金蝉の低い声が惷香を不安にさせた








「あの女とは仲良くするな
あの女は…李塔天の手の女だからな」


「え………?」


「知らなかったのですか…?」


「待って…
どういう…」







.

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