親友・七



「何だ?
目にゴミでも入ったのか?」


「やだ
ウインクも知らないの?」









嫦娥は悟空の反応にクスクスと笑う



女性らしい彼女に
惷香は更に嫉妬と不安を抱いていた…







「何をしてやがる」


「あ、金蝉
今さーこの嫦娥ってのと…」


「仕事はいつも通りに終わるのか」


「金蝉
聞けって!」


「うるせえ!」









金蝉の怒鳴り声と共に
悟空の頭に金蝉の拳が落ちる






痛そう…とばかりに
見ていて嫦娥は顔を歪めた








「で、どうなんだ」


「あ、ええ
いつも通りです」


「そうか」


「あ〜貴方が金蝉童子かしら」








突如嫦娥の声が聞こえ
金蝉も片眉を上げ嫦娥を見る








「私は嫦娥
惷香の親友です
お噂は予々」


「噂…?」


「この子を射止めた素敵な…」


「ちょ、ちょっと嫦娥!」


「あら、ダメなの?」








惷香は照れた様子で嫦娥の口を塞げば
不思議な顔をしながら見る三蔵と 首を傾げる悟空と目が合い

更に顔を赤めて身を小さくした








「何をやってやがる」


「な、何でも…ナイデス」


「ぷは…
全く惷香ってば…
あ、私ちょっと用事あるからまたね」









嫦娥は慌ただしく医務室を後にした





そんな嫦娥を金蝉は腕を組んで見ていて…





金蝉の視線の先を惷香は不安な面持ちで見ていた…






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