親友・六



不貞腐れているを余所目に惷香はカルテの整理を始める


だが 彼女は惷香が金蝉、そして悟空に会っていたと言う事

そしてこれから起きる事は全て知っていたのだった…























嫦娥の傷も大分癒え 月に戻る許可を出してからも
彼女は月に戻る事もなく医務室によく入り浸りしていた







「ねェ惷香
あの金糸の男性素敵よねェ」


「金糸…?」


「あの人よあの人
あら?動物でも飼って…
ヤダ子供かしら」








嫦娥は医務室の窓から外を見つめ 1人で表情をコロコロと変えた




惷香も嫦娥の視線の先に目を向ければ
そこには見慣れた金糸の男性と鎖を付けた男の子がいた





そんな惷香に気付いた男の子
悟空が笑顔で手を振った







「おーいっ惷香〜!」


「あら、惷香
知り合い?」


「ええ まぁ…」








軽い返事をしながらも
惷香は悟空に小さく手を振った






視線の先には金糸の金蝉…





金蝉もジッ…とこちらを見ながら 惷香へと近寄って来た悟空を追う様に

金蝉も溜め息混じりに近寄る







「何してたんだ?しごと?」


「ええ そうよ」


「あらァ可愛いわね
君名前は?」


「アンタ誰?
俺悟空っての!」


「いい名前ね
私は嫦娥よ
この子の親友なの」







嫦娥は惷香の肩に手を置き
悟空にウインクをした







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