親友・参



「あ〜んな金蝉童子を手懐けた女 ですって
惷香はこんなに可愛いのに」


「可愛いなんて…
そんな事言うのは貴女位よ…」









惷香は溜め息混じりに
呆れ声を上げる








元々 彼女の様な女神と
天上界に暮らす惷香が仲良くなったのも
嫦娥が瀕死の傷を負い
天上界に運ばれて来た事からだった







彼女は瀕死の状態にも関わらず
夫の太陰星君を救ってくれ

と、惷香に懇願した







惷香の力により
夫は嫦娥に比べ 軽い怪我で
惷香の治癒により全快
夫は先に月に戻った後

重症だった嫦娥は暫くの間 天上界で養生していた








コンコンコン…








嫦娥の休む部屋のドアを軽く叩き 惷香は治療道具と共に現れた








「お加減如何でしょうか」


「先生
ありがとう もう元気だわ」


「無理は禁物です
貴女は死んでもおかしくない傷を負っていたのですよ」


「綺麗な顔の人に怒られると
本当に恐いわねェ」


「ふざけないで下さい」








初めからこの調子で
嫦娥に惷香はペースを崩され始めた







「ねェ先生
私いつ帰れるかしら
まぁ私がいなくても平気なんだけれどもね」








嫦娥は包帯を新しく巻かれながら クスクス…と笑う







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