親友・弐
「ねぇ惷香
貴女よく金蝉童子とお付き合い出来るわねェ」
「どうして」
嫦娥の言葉に 書類を作りながら素っ気なく返事を返す
嫦娥は溜め息を漏らすと
惷香の机に近寄り
机の角にドシッと色っぽいお尻を乗せると脚を組む
「ねェ惷香
金蝉童子の噂
知らないの?」
「噂…?」
金蝉童子の話が出るや否や
惷香は書類に落としていた視線を嫦娥へと上げた
「冷酷で神とは思えない態度
そしてそんな彼に愛された貴女も噂だわ」
嫦娥は たゆんっと揺れる胸の下で腕を組み
手入れされた伸びた爪で自分の顎を考えるかの様に添えた
噂…
どうせ下らない下世話な話でしかないだろうそんな事を考えながら
惷香は再び書類へと視線を落とした
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