親友・壱



「ねぇ惷香
また金蝉ってのに会うのォ」


「嫦娥
貴女また旦那置いて来たの」


「だって疲れるもの」


「またそんな事を…
ここは医務室なんだから
遊びで来てはいけないと何度も言って…」


「あらァ?
でも金蝉童子は別だって言うのかしら?
フフフ
一番の親友よりも彼氏?」


「嫦娥ッッ!」


「もう 惷香ったら
可愛い所も大好きよ」










彼女は嫦娥

この天界で唯一"友"と呼べる存在の彼女は
太陰星君の妻である。




旦那様の太陰星君は月の神
そして嫦娥は月の女神を担っていたのだ





嫦娥は女神と呼ばれるに相応しい美しく
また色気の中に素朴さを感じさせる不思議な女性で


日頃は月に住む彼女は
旦那に黙って天界に来ては
惷香と話に花を咲かせる事が多かった









「嫦娥
帰らなくても?」


「もう惷香
そんなイジワル言わないで」


「全く…」









堅苦しい性格の惷香は
自由で女性らしい嫦娥が

羨ましくもあり 大好きだった








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