誕生日・九


「明日に食うからな
しまっておけ
悟空 食ったら殺すぞ」


「何で俺だけに言うんだよ!」


「そりゃオメーが一番怪しいからな」


「じゃ冷蔵庫に入れておくね」








惷香は残りのケーキを冷蔵庫にしまった




騒がしい誕生日会を終え
各自部屋に戻った後


三蔵の部屋に惷香が尋ねた









「何だ」


「胃薬
念の為に持って来たの」


「ああ
すまんな」









三蔵は惷香を部屋に招き入れた



部屋のテーブルに水と胃薬を置くと 窓辺に立つ三蔵を後ろから抱き締めた








「…珍しいな」


「誕生日…おめでとう」


「…ああ」


「三蔵の誕生日を祝う事が出来て嬉しい…」


「アホか…」









三蔵は回された手を手繰り寄せ
真正面に抱き寄せた








「誕生日も…悪くないな」










三蔵は惷香に聞こえるか聞こえないかの小さな声で呟くと



ゆっくりと唇を合わせた










誕生日
おめでとう 三蔵――








誕生日・fin





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