誕生日・七



八戒は笑いながら


『僕をあげますよ』


と言うと 三蔵は苦虫を殺した様な顔をして頭を抱えた









「たっだいまーッッ!」








勢い良く開いたドアから悟空が現れ 三蔵に白い包みを手渡した







「何だこれは」


「プレゼント!
俺あんま金ねェし 三蔵に何あげたらいいか分からなかったから
俺が欲しいのにしたんだ!」


「あん?」









ほのかに温かい白い包みを開けると 肉まんが1つ入っていた







「これは…悟空らしいですね」


「良かったじゃない三蔵
温かい内頂いたら?」


「ひゃひゃひゃ
チビらしーわ!」


「何で笑うんだよ!
この肉まん昼間食ったんだけど
無茶苦茶うめーンだぞ!」


「分かった…
だから黙れ」









三蔵は頭を抱えながらも
肉まんを食べようと口元へと運ぶ





そんな三蔵をジー…っと悟空は羨ましそうに見つめた







ハァ…と疲れた顔をしながら
三蔵は肉まんを半分に分け
半分を悟空に渡した








「やる」


「何でだよッ
これ三蔵への…」


「1人で食うより 2人で食う方がいい」








三蔵はバクッと半分の肉まんを食べると フッ…と笑った


すると悟空の頭をグシャ…と撫でた











「美味いな」


「…へへッ」









テレた笑顔で悟空は笑い
プレゼントの半分個した肉まんを2人で食べた







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