誕生日・五
「それでは食事の前に…」
「何だ八戒」
「惷香から乾杯の挨拶を」
「え?私?」
「一体何だ
さっさとしろ」
さすがに酒を据え膳され
三蔵の機嫌はよろしくない
惷香は困った様に八戒を見れば 八戒はニコニコとグラスを掲げた
「あ…では三蔵」
「あ゛?」
「誕生日…おめでとうございます」
「あーッッ!
今日三蔵の誕生日?!」
「そうだったか」
「だからこんなご馳走なんだ!
やっりィ!」
「オメーは何だって腹に入ればいいんだろうが」
「では
三蔵の誕生日を祝って」
「「「「乾杯ッッ!」」」」
ワイワイと いつもの様に騒ぎながらも夕飯は進み
さすがの悟空も満腹を訴えた頃
テーブル上の皿を惷香と八戒は次々と片付けた
台所の片付けを終え
コーヒーを淹れ リビングに戻れば悟空と悟浄が誕生日プレゼントについて話をしていた
「知らなかったからなァ
プレゼント用意してなかったンだよなァ」
「俺も 俺もー」
「お前らがよこすモノなんか
想像出来る
いらん 邪魔だ」
「ひっでーッッ!」
「あ、じゃこれやるわ
実用的だろ」
.
[ 132/216 ][*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る