恋多き男・七



惷香は自分の左肘を右肘で掴み
八戒から視線を反らした









「惷香…
惷香?」








視線を反らした惷香は
視線の先を見て目を見開いた








「どうしました?惷香
何かありまし…」










惷香が見る先を八戒も視線を向けた





そこには男女が立ち
男の腕に女は腕を絡ませ
抱き着いている









「ふふふ…
面白い人ね 貴方
これからどうする?
せっかくだから私の部屋でも来ない?
お酒くらい出すわよ?」


「美人の誘いは断れな…」








男は頭を掻き 視線を変えた








「惷香…八戒…」


「悟…浄…」


「悟浄…」








惷香は下唇を噛み
その場から走って逃げた









「あっ!惷香!」







八戒の声にも振り返らずに
惷香は一目散に走った









「あ…ちゃー…」








悟浄は参ったかの様に頭を掻く









ガッ―…!!








「悟浄!
貴方と言う人はッ…!」







八戒が悟浄の胸元を掴み
壁へと押し付けた








「ってえ…
八戒まで俺に説教かよ…」


「ここまで最低だとは思っていませんでしたよッ…!」







悟浄は八戒の腕を払い退けた








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