恋多き男・参



悟浄と三蔵が睨み合う間で
悟空はワタワタと慌てふためく






「な、なぁヤメロよ!
三蔵も放っておいてやれって!
悟浄もそんな言い方しなくたっていいだろ!?」









そんな時八戒と惷香がドアを開けて現れた







ガチャ―…








「ただいま帰りまし…
どうしたんです」


「ただいま
またケンカ?」


「お前らは黙ってろ
コイツには言わなきゃ分からないんだ」


「はっ
お優しいこったな…
だから言ってるだろうが!
放っておけって!」


「いつまで逃げるつもりだ」


「何だと…?」


「そうだろうが
お前は逃げてんだよ」


「はっ
話になんねぇわ」









悟浄は呆れてドアへと向かう








「一々俺に口出しすんな」







そう顔だけ振り返り吐き捨て
悟浄は荒々しく部屋から出ていった








「三蔵…一体何があったんです
悟浄があれだけ怒るなんて…」


「………チッ」







三蔵は舌打ちすると髪を掻き
無言のまま椅子に座り
新聞を広げた






『話掛けるな』オーラを全開のまま 三蔵は新聞から視線を上げなかった








そんな時 部屋にある台所に移動した悟空が手招きをした








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