恋多き男・弐



そんなある日



新しい町で八戒と惷香が夕飯の買い出しに出掛けている最中





部屋に残った3人がのんびりと寛いでいた






三蔵は相も変わらず新聞を広げ

悟浄と悟空はトランプ







「うっしゃ
また勝ったな」


「あ、悟浄ずりーぞ!
お前それイカサマじゃん!」


「ちげって!
証拠あんのかよ しょーこ!」








騒がしい2人を三蔵はチラッと見る








「おい悟浄」


「あ?」


「お前惷香の気持ちを分かっているんだろう」


「…………
だからなんだよ」


「それで何であんな態度を取る
大体お前は…」


「うるせえな
そんな事三蔵が言う事かよ
それとも何か?
仲間なら口出し自由ってか」


「なんだと?
貴様誰に物を言っている」


「おめーだよ おめー!
そんな三蔵法師は人の恋路まで口出しする程暇なのかよ!」







悟浄は立ち上がり ベッドにトランプをバシッと叩き付けた








「お、おい悟浄
落ち着けって!
三蔵だって悪気があって言ってんじゃないんだからさ…」


「猿は黙ってろ!」


「何だよその態度!」


「悟空
引っ込んでろ
コイツは何言っても分からない馬鹿なんだよ」


「なんだとお…?」


「フン
そうだろうが
女から逃げといてモテるなんざ
笑えるんだよ」


「んだと…」








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