我儘弐・壱


ドン ドンッ―――!!








三蔵の銃声が建物内に響く




弾は漆黒の煙を無惨にも通過し建物の壁に弾痕を残した








「三蔵ッ!
煙相手じゃ攻撃なんて当たんねーよ!」


「クソッ!」









銃をカチャリと弾を込め直し
三蔵は考えを巡らせた






元々建物に強めの結界を張り

山全体にも結界を張っている…



建物の結界はあの妖気で破壊された…





かなりの力だ…





下手すれば悟空ですら危うい









三蔵は建物内を見渡した





粉砕された仏具は元がどんな型だったかすら分からない状況になり

床に散らばっていた





フと壁の札に目が止まる




結界の範囲を示す札は部屋の四隅に貼られたままだった






この札は今まであの女の体内にいた妖魔を抑える役目があったんだったな…





と 言う事は…






三蔵は急ぎ札を四隅から剥がし

建物内にあった壷の周りにまず2枚
底に1枚貼り付けた








「三蔵ッ!
何やってンだよ!
あの煙段々でっかくなってる」








悟空は如意棒を構えたまま三蔵を叱咤した




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