八拾六
はぁはぁ…
「…三蔵
生きてますか…?」
「ワケわからん結界で足止めくって
さんざ獣道登らされて挙げ句の果てに
…何だこの階段は」
先が見えない程の登り階段
左右には鳥居の赤い柱が点々とあり
登っても登っても先が見えない
その上怪しい霧まで立ち込めて来た
そんな時階段上にボンヤリと見えた人影が降りて来た
「――悟浄!!」
「…お前ら
何でこんな処いるンだよ」
悟浄は一方的に神様を倒した1人で余裕だった
早く帰ろうとケラケラと笑った
そんな悟浄に
バキャ!「な…?!い゛…」
悟空が悟浄を殴り倒し悟浄の手を八戒が踏みつけた
「よくもまぁ平然と戻って来れましたねぇ
いい度胸です」
にこりと笑う八戒に冷や汗を流し見上げる悟浄
その悟浄に金色の糸が絡む
ギュル―――……
「アナタのお陰で大変だったんだよ?」
そして銃口がカチャリと悟浄を捉えた
「覚悟はできてんだろうな
クソ河童」
座り込んだ悟浄の回りを取り囲み
ニヤリと不敵に笑う4人に悟浄は後ろへと後ずさりする
「――え…?
ちょ…」
ガウンガウンッ!「大人しくしないと楽に死ねねぇぞ」
「チッ!」
悟浄は武器を取り出すと
4人との距離を取るべく振り回し臨戦態勢を取る
「――っぶねーなぁ!」
「く……っ
何故俺が偽物だと判った…?」
『ニセモノだったのか。』
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