四拾五


ハッと気が付くと
宿屋の部屋の床に倒れ込んでいた








「…はっ…はっ…はぁッ」








息が上がっている


またあの夢…?

最近頻繁に見る
この世界に来たからだろうか?


首元の汗を手で拭い 椅子に座る


こんな事がこれから何度も起きるのかと思うと冷や汗が溢れた

一々倒れる程の眩暈

こんな姿は彼らには見せたくない

ゆっくりと立ち上がり
干した衣類の乾き具合を手で確かめ
まだ少し湿っていたが下着を付け
衣類を羽織ると部屋から出た


色々と考えを巡らせながら階段を下りると階段途中で三蔵と鉢合わせた








「服がないそうだな
八戒にカードを渡してある
買いに行って来い
ついでに必要な身の回りの物も揃えろ
俺の煙草も忘れるな」








そう言うと返事も聞かずに2階の部屋へと入って行った

1階の入り口付近で悟空と八戒と会い
3人で惷香の服を買いに行く事になった








「あ、三蔵が煙草もって言ってましたよ」


「三蔵は煙草吸い過ぎなんだよー」


「そーですねぇ
でもそれで機嫌がマシになるなら安い物ですよ」








3人で街を歩きながらそんな話をしながらフッと悟空を見る

夢で見る悟空とは背や服装や髪形が違う…

けどあれは悟空だった

そんな事を考えていると悟空と目が合う








「ん?
俺の顔に何か付いてる?」


「あ…え、いえ」

「へへへッ」










悟空は頭の後ろで手を組みながら惷香に笑い掛ける

その時悟空の金鈷が目に入った








「悟空
これは何なんです?」








と惷香が金鈷に触れた瞬間
一瞬にして頭に画像が流れ込んで来た


そこには

舞い散る桜の中


不機嫌な顔をした男

長髪のメガネの白衣の男

短髪の煙草を咥えた男

そして悟空

そこで笑う惷香





あ―――

貴方達は……











.

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