四拾四


ザッ ザザザッ―


ノイズ混じりの視界









窓に揺れるカーテン



そこで私は夕方になるのを待っている


何度も時計を見る…











ザッ ザザザッ―


またノイズ混じりの視界になる




急に景色が変わる












『たかだか小鼠二匹の卑らしい命ごときが我が朋友を道連れにしおって……!!』









憎悪が湧いた




すると悟空の声が









『うそだぁぁぁぁぁ!!』









と聞こえた瞬間
目の前が暗闇に包まれた






見たくない――!!




惷香は両手で顔を覆った




周りが静かになる









「………?」









惷香はソッと手をどけた


そこに見えたのは



後ろ姿の長い金糸の彼と
悟空の走る姿









「………て…」









彼は悟空に手を差し出す








「……って…」











悟空も彼に手を差し出し
2人は光の向こうに走り続ける









「待って………!!」








2人は振り返る事なく光の向こうに








消えた―――








.




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