四拾参
その後暫くすると再び部屋のドアをノックする音が聞こえた
「はい?」
「あ、僕です
朝食もまだだと思いまして
ここにおにぎりとポットにコーヒー用意しておきましたので ここに置いておきますね
では」
そう言うと八戒は床に何かを置くと直ぐきいなくなった
惷香はドアをコソッと開け
廊下を左右見渡すと誰もいない
床にはお皿におにぎりが2つに
たくあん
横にはポットとマグカップが添えられていた
惷香は
「…ありがとう」
と呟き部屋へと戻りおにぎりを頬張り
コーヒーを飲んだ
濡れた服を窓の近くに干し窓を開けた
窓の傍の椅子に座り コーヒーを飲む
窓の外には宿屋の塀が施されていて
何本か木が植えられている
塀の向こうには街を行きかう人々の声で賑わいを見せていた
その雰囲気に何故か懐かしさを覚えた
その瞬間眩暈がした
「あッ…ま…た!?」
頭を片手で押さえフラッとテーブルに手を付く
立ち眩み…?
歪む視界の中でカーテンが揺れた
.
[ 48/201 ][*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る