四拾参


その後暫くすると再び部屋のドアをノックする音が聞こえた








「はい?」


「あ、僕です
朝食もまだだと思いまして
ここにおにぎりとポットにコーヒー用意しておきましたので ここに置いておきますね
では」








そう言うと八戒は床に何かを置くと直ぐきいなくなった



惷香はドアをコソッと開け
廊下を左右見渡すと誰もいない


床にはお皿におにぎりが2つに
たくあん

横にはポットとマグカップが添えられていた

惷香は









「…ありがとう」









と呟き部屋へと戻りおにぎりを頬張り
コーヒーを飲んだ

濡れた服を窓の近くに干し窓を開けた
窓の傍の椅子に座り コーヒーを飲む

窓の外には宿屋の塀が施されていて
何本か木が植えられている

塀の向こうには街を行きかう人々の声で賑わいを見せていた



その雰囲気に何故か懐かしさを覚えた


その瞬間眩暈がした








「あッ…ま…た!?」








頭を片手で押さえフラッとテーブルに手を付く



立ち眩み…?





歪む視界の中でカーテンが揺れた






.

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