百七拾八
「ッつ……!!」
惷香は口を抑え
声を我慢しながら涙を流した
悟空は涙を流しながら
地面を殴る
「なんでっ…!
なんでだよっ!」
「悟空
焔の顔を見てみろ」
ピタリと殴るのを止め
悟空は焔を見る
「笑って…」
「コイツは望みが叶った
それがコイツの為なんだよ」
悟空はゆっくりと立ち上がる
「勝ったのに…
負けた気分だ…」
悟空はぼそりと呟き
崩壊する世界で
三蔵の法力を唱える声だけが響いた――…
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