百六拾五


悟浄の錫杖は光る鞭で粉砕し
倒れた悟浄の後ろから飛びかかる独角児の刀さえも粉々に砕き


八戒の気功すら跳ね返された








「こんな事なら力をセーブしとおけば良かったですね」


「後悔を…しているのですか」


「後悔?
そんな物は愚か者のする事ですよ?」


「愚か者…?」









八戒はスッと立ち上がり
紫鴛の真正面に立つ








「ええ
過去の僕の様に…
でも今は守りたい人や一緒に肩を並べられる人がいる
だから僕は負ける訳には行きません」









紫鴛はスッと目を閉じ
寂しそうな顔をした








「そうですか…残念ですよ…
アナタとはもっと語り合ってみたかったですね…」









紫鴛の周りに気が高まり
ビリビリっと塔全体が震えた























その頃
紅孩児は悟空相手に翻弄されていた



焔はフラリと三蔵に近寄る








「どうやらキサマの仲間も終わる様だな」


「ふん
勝手に殺すんじゃない
しかもアイツらは仲間じゃない
下僕だ」









ニヤリと笑う悟空に紅孩児は1撃も出す事も出来ないまま
吹き飛ばされた









「ぐっ…!くっ!」


「どけ…」


「三蔵!?何をっ…!」


「うるせぇ!
ガキにはお仕置きが必要だ」








カシャリ――…









紅孩児は三蔵の足元に銃を投げ返した







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