百六拾四


「紫鴛さん…そろそろ止めにしませんか」








紫鴛 是音相手に
悟浄 八戒 八百鼡 独角児 李厘は

スッ…と臨戦態勢を解いた








「止める?どうして?」


「こんな戦いは無意味だと
アナタだって気付いているのではありませんか!」


「無意味…
そうかもしれません
しかし私達は足を止める訳には行きません
それが焔太子に着いて行くと決めた日からの運命なのです」



「そんな馬鹿な事を…!!」








悟浄は後ろから八戒の肩に手を置いた








「いいじゃねェかよ
それがお望みなんだからよ
戦いてェならトコトン相手してやンぜ!」


「それは…嬉しいですね」








紫鴛はそう言うと髪を纏めてある紐を解き始めた








「紫鴛!
お前まさかっ…!」








是音の制止を聞かず
解かれた紐から腰まである
長いグレーの髪がサラリと流れた








「焔…アナタはどうぞお先に
心配なさらずに
ここを片付けたら是音とすぐに参ります」








紫鴛は俯いたまま両手には光る鞭を携え



周りには聞こえない小さな声でポツリポツリと呟く









「本気を出すのは何百年振りでしょうか…
アナタ達は幸運です
神…と言う力…」









紫鴛は顔を上げ
閉ざされていた目を見開いた








「お見せしましょう」








ドンッ――…!









一気に溢れる力強い力…
息を飲む4人の中
悟浄は喰らい付く








「何が神だ
笑わせるなっ!」









悟浄は錫杖を振り上げた






.

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