百六拾壱


「おまちどおさん!」


「お2人共ご無事でしたか
李厘さまッ紅孩児さまッ」








三蔵はチラリと悟浄を見る








「おい悟浄」


「あ?」


「見せ場を作ってやる
この場を任せた」


「三蔵!?」









三蔵はそう言うとフラリと階段を上がって行った


紅孩児も三蔵の後を追う

焔にプライドを見せ付ける為に焔のいる謁見の間へと歩みを進める





























「はぁ…はぁ…
ここは…どこなんだろう」








惷香は階段を降りながら
いつ敵が来るかも分からない不安感で緊張していた





ピタリと足を止めた









何か空気がおかしい…?




何でなのかは分からない


胸騒ぎがする…









急いで階段を駆け下りた



大きな広間の薄暗い部屋にたどり着き


惷香の嫌な予感は的中した










光る御坊星の真ん中で
金鈷を外され眠る悟空


その横には焔が立っており



悟空の真上には球体の様な物が光って段々膨らんでいる








「なっ―――!?」


「夕惷!?
何故ここにいる!
まぁいい…」








焔はカツンカツンと足音を鳴らしながら近寄り
惷香の腕を掴み御坊陣に近寄った









「見るがいい
あれが新天地だ
差別も束縛もない…自由な場所
新天地…お前と俺が新天地の第一夫婦となるのだ」


「ッな―――…!?」








惷香は球体の中に
野原が見えると
口元を手で覆い
ガタガタと震えながら後退りする









「怯える事はない
俺がずっとお前と一緒にいるのだから…
待っていた…500年間
お前を手に入れるのを」








焔は震える惷香を後ろから抱き締めた





.

[ 180/201 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -