百五拾九


「くっ…!!
猿!この馬鹿猿!!
さっさと起きやがれ!
馬鹿猿っっ!!」









三蔵の声は悟空の耳には届かなかった









「ふんっ
サービスが悪いな
新天地創造とやらを見せてはくれねぇのかよ」


「新天地創造にはほんの少しのミスは許されません」


「従ってお前はここで
サヨナラだ
あばよ玄奘三蔵」









是音の銃口が三蔵を定めた


















ドガ――…ン!!








突然壁が白煙を上げて崩れた








「ざまぁないな」


「何しに来た」


「借りは返す質なんでな」








赤い髪の妖怪

紅孩児が現れた――








「李厘ちゃんもいるよーん」








後ろからニカッと笑う李厘を連れて

























母親の幻影に叩かれ続ける悟浄を八戒は動かない体で助けようとするが


気孔を放つが避けられてしまい
八戒は再びガクリと崩れた



錫杖をガラリと引きずり
悟浄の前に再び母親は錫杖を振り上げた









「おい 悟浄
また俺にやらせるつもりか?」


「ッつ―――!?」








悟浄と八戒は振り返る








「兄貴!?」


「八百鼡さん!
何故ここに!?」


「私達は経文を取り返す機会をずっと窺っていたのです」


「お前達が仕掛けたからいい機会だと思って来てみたら…
ざまぁねぇな」








ギロリと悟浄を睨むと悟浄も睨み返した








「敵が介在の法と言う物を掛けて逝ったんです
逃れられない過去と戦う術だそうで…」


「逃れられない過去?
そんな物はねぇよ」


「何ッ!?」







.

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