百四拾参


「で?
無粋な俺に何の用だ?
女でも紹介してくれんのか?
カ、ミ、サ、マ?」


「女性の紹介はしかねますが
花ならばそこに…」








悟浄の前に置かれた酒瓶に
バラが描かれていた








「茶目っ気たっぷりだな
それとも何か?
酒を奢ったんだから…」


「いいじゃないですか」








悟浄の言葉を八戒が切る








「明日になれば決着は付くんですから
ですよね?」








チラリと八戒は2人を見る








「まぁそうゆうこった」









カラン…









4人のグラスの氷が音を立てた














悟空は自分のベッドで
目を輝かせていた









「ダメだ!
眠れねぇっ!」









ガバッと起き上がる


ベランダに出て
明日待ち合わせの丘を見る








「眠れねぇのか?」


「あっ三蔵!」


「なぁ…三蔵
明日…晴れるかな…」


「お前バカ猿決定」


「何でだよっ!
俺はただっ…!」


「ただ 何だよ」









悟空は自分の握り拳を見る








「楽しみなんだ」


「ふっ…
遠足前のガキ猿でもあるまいし」


「俺やるよ!
俺ぜってーアイツをぶちのめしてみせる!」








拳をより一層強く握り
真剣な眼差しをする悟空を
三蔵は隣で見ていた








「さっさと寝ろ」









そう呟き
三蔵はベランダから部屋へと歩き出す









「これだけの星の数だ
雨の心配はなかろう」








バタンと三蔵は部屋を後にした








「うしっ!
焔ァ待ってろよ!」








星を見上げて悟空は握り拳を空高く翳した





.


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