百四拾弐


町の中の酒場

そこに八戒と悟浄は夕飯後に飲みへと来ていた


カウンターで肩を並べ
ロックグラスに入ったお酒を2人はゆっくりと呑んでいた









「なぁ…八戒」


「はい?」


「ああ…やっぱいいや」


「言って下さい
気になって眠れなくなりそうです」


「明日…どうにかなんのか?」








カラン…


グラスの中の氷がゆっくりと動く








「さぁ…?ですが
やられっ放しはゴメンです」


「やるしかねぇか…
ん?」








酒場の入り口に2人の影



是音と紫鴛―……









「ふん」


「てめぇ!」









ガタリと悟浄が立ち上がるが
八戒が制止する









「待って下さい悟浄
どうやら向こうも
ここに来た目的は同じ様ですよ…」








カウンターの少し離れた席に
是音と紫鴛は座る









「一番強いの」


「烏龍茶」


「そこの2人にも同じ物を」








ガタリ


悟浄はカウンターに片手を付いて立ち上がる








「おいっ八戒
店変えっぞ!
酒が不味くなるっ!」


「そう突っぱねるなって
勝負は明日の朝だろ?」


「俺ぁ今直ぐだっていいんだぜ?」


「無粋…ですね」


「何っ!?」









紫鴛はスゥと顔を上げて
肘を付いて遠くを見る様に
話を始めた…









「昔ある人がこう言っていたそうです」








『花はいいぜぇ





女もいいが




でもって 美味い酒と来りゃ






それだけで十分じゃねぇか…』










「お酒の味は分かりませんが
その方の言う事は
理解出来ます」


「はっ!
わーるかったな無粋で!」





.

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