百四拾壱


夕飯時不機嫌さを増したのは三蔵だけではなかった








「気に食わねェな」


「え?何でだよ
うめェじゃん!」


「お前は黙って食ってろ!」


「なんだよっ!」


「それにしても珍しい方達ですね
予告だけしに来るなんて」


「よっぽど自信があるのか
よっぽどナメられてるのか
よっぽど暇なのか」


「恐らく全部正解ですよ」


「ったくよー
俺達はオモチャか」


「相手の狙いは魔天経文
そして惷香です
対策は練れます」


「対策…ねぇ」









ガタリ









三蔵はフッと立ち上がった








「ふんッ
神だが何だか知らねェが
俺達の行く手を阻むヤツは排除する!
それだけだ」








三蔵はそう言うと飯処から出て行った








「三蔵ーっ!
なぁ三蔵ーっ!どうしたんだよ
なぁってばー」









悟空も三蔵を追い掛けて出て行った















川沿いの道を歩く三蔵を悟空が後ろから追い掛ける








「三蔵ーっ!
なぁ三蔵ーっ
何怒ってんだよ!」


「うるさいッ黙れ!」


「ったく、機嫌悪いとすぐこれだもんなァ」


「何だと?」


「それよりさ三蔵
肉まん買ってくれよっ」


「さっき食ったばかりだろう」


「仕方ねぇじゃん
腹減ったんだから!」


「ったく…」









フッと三蔵が張り詰めた空気が和らいだ








「やったー!
肉まん 肉ま〜ん!」








無邪気な悟空に三蔵は一息の
安堵感を見せた






.


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