百四拾


「答えを聞くまでもなかろう」


「言った筈だ
慌てるな と」


「前から言いたかったんだがな
てめェの間延びしたその態度
反吐が出るんだよ」


「忘れたのか金禪
あの天界での生活を」


「何を言ってやがる」


「ふふふっ
神様は総じて気長なものなんだよ
それに胸踊る時間は引き伸ばしたくなる」








クスッと笑いながら
焔は三蔵をスッと見る








「いいか
明日の早朝あの丘の上でお前達を待つ」








焔は町の入り口側に視線を向け
町の外れにある岩場の丘を指す








「行かないかもしれないぜ
何せ俺達待ち合わせって
チョー苦手」


「逃げるのですか?」


「ああッ!?」


「言ってみただけです」


「参りましたねぇ
これでは寝坊も出来ませんよ」


「寝なきゃいいんだよ
そうすれば心配もねぇ」


「おーおーナイスなご提案だ」


「ま、せいぜい楽しめ
最後の夜になるかもしれねぇからな」


「惷香…」









低い声が惷香の身体を強ばらせる









「明日
必ずお前を俺のモノにする
必ずだ…」









そう告げたまま
3人は町から立ち去って行った






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