百参拾八


―登城・混乱の塔―








薄暗い謁見の間の玉座に
焔は1人で考えていた





俺は

俺は異端と蔑まれ






不浄のモノだと位置づけられ







そして…






愛する者も奪われた







天界に背き



俺は何を求め 何を得る?











新天地―――――















それとも…








焔は立ち上がり謁見の間の扉へと歩き出す








「いよいよだな」









柱に寄りかかりながら
是音が呟く


焔はピタリと足を止める








「ああ」


「始まるんですね」








紫鴛が柱の影から焔の背後に姿を見せる







「是音 紫鴛」


「おっと
余計な事は言いっこナシだぜ」


「あなたが言うべき言葉は1つしかない筈です」


「是音!」


「おお」


「紫鴛!」


「はい」


「時は来た
行くぞ!」












謁見の間の影は



開かれた





.


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