百参拾四


「それは出来ない相談だ
もう1度言おう
魔天経文を渡せ」


「断ると言っている」


「ふっ」









だだだだだっ









足音と共に部屋から慌てて出て行った三蔵を追い掛けて

悟空 悟浄 八戒が駆けて来た








「またてめェ!」


「こんな町中で現れるとは
神様も暇なんですねぇ」


「おいおい〜
今日は1人かよ」


「1人ではありませんよ」








花火が町中を明るく照らす中
屋根の上には是音と紫鴛が三蔵達を見下ろしていた








「1人になった惷香を狙うったァ神様もセコい手を使う」


「勘違いするな
別に戦いに来た訳じゃない
会いに来ただけだ」


「ふざけるな
ならばさっさと帰れ」








焔は高くジャンプをすると
是音と紫鴛の側へと移動した








「金禪
俺が勝ったら魔天経文と…」









ドォ―…ン









花火は舞い上がり全員の顔が赤色に染まる








「惷香を貰い受ける」








ドォ―…ン









町中の人々は『わぁ』と歓声を上げる中
三蔵達は血の気が引いた








「だがまだだ
まだお前達は強くなる
それまで待つ」


「ふ…ざけんなっ!」


「コイツは物じゃねぇんだ」


「仲間を売る真似はしません」


「殺すぞ貴様」









カチャ―――









「このまま黙って帰られるつもりですか?」


「それに満足されるあなた方ではないでしょう?」


「まさか
あんなんじゃ前菜にもなりゃしねぇよ」


「安心したぜぇ
これでわざわざ出向いた甲斐があったって事だ」









八戒 紫鴛
悟浄 是音は臨戦態勢を取る







.

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