百弐拾六


独角児の刀も
紅咳児の召還獣すらも

焔には適う筈もなく
2人はドサリと床に倒れた








「これ…ほど
とは…」


「紅咳児…と言ったな
貴様面白い奴だ
俺は貴様の様な奴は嫌いじゃない」









焔は後ろ姿のまま紅咳児に笑顔を向け隠し通路へと消えた…

















「全くもうっ!
どうなってるのよ!
天界からの襲撃なんてノーマークだったわ…」








玉面公主は隠し通路を魔天経文を携え
2人のお供を連れて歩きながら唇を噛んだ








「玉面公主様!
後は飛龍に乗れば…うっ!」








眩い光が玉面公主の視界を遮った時焔が立ちふさがった








「魔天経文を渡して貰おう」


「だ、誰がっ!」


「玉面公主様
ここはお渡しになった方がいいかと思いますよ〜?
まさか神様が無駄に命まで取る訳もないんですから
ねぇ?」


「ニィ博士!
あなた何言って…!」


「いいだろう」









ニィ博士は怒る玉面公主を余所に魔天経文を焔に手渡すと
焔は立ち去った――









「あなた どうゆうつもり!?」


「僕は給料分の仕事をしたまでですよ〜?」








ニィ博士はニヤリと笑いながらメガネの奥が鈍く光った…





















焔は自身の城に戻り
空を眺めた





『退屈は人を殺せるそうだ』



お前はそう言ったな

金禪童子…




『私にないモノを彼らはくれるから…』



お前はそう言ったな

夕惷





確かに地上に転生したら


あんな退屈な天上の事なんか
忘れてしまうな―――




だが俺は諦めない



夕惷を再びこの腕に抱くまで




俺は…









金禪だろうが



捲簾だろうが



天蓬だろうが



悟空だろうが




血に染めるだけだ……








.




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