百弐拾参


「これで分かったか?
神を殺す事は出来ない」


「ふん
こちらに打つ手がないと思わせて穏便に経文をよこせとは
神様とやらはお優しい事だな」


「分かったなら足元に平伏して経文を差し出すんだな」


「――っ!
ざけんなっ!!」









三蔵は再び銃弾を焔に撃ち付けるが銃弾はまた焔を通り抜けた








「ちぃ!」


「己の心だけを信じ
己の目だけを信じ
己の力だけを信じ
唯一俺がお前達に共感する部分だ…
だが今のお前達はどうだ?
本当に己の力だけでそこに立っていると言えるのか?」








言葉を呑む三蔵一行に焔は言葉を繋げた







「お前達に俺を倒す事は出来ない
経文を渡せ!」








焔は刀を抱え 臨戦態勢を取る

負けじと三蔵も銃口を焔へと向ける








「何度も言わせるな!
断る!」


「ではもう言わん
今度は本気で行かせて貰う
覚悟はいいなっ!」


「―ッ!!
三蔵!!」









悟空は飛び上がり優男を超えると焔の武器を如意棒で弾く








「――っ!
悟空!」








三蔵は驚き声を上げる









「「「悟空っ」」」








八戒 悟浄 惷香も安堵の声を上げる








「あの少年
先程と動きが違う」


「何でテメェら経文なんて欲しいんだよっ!」


「どけっ!」


「どかないっ!」









焔の刀を如意棒で支えながら
悟空は焔を睨む












純粋な瞳
汚れ無き想い

だがこの少年も
忌み嫌われる異端なる存在

斉天大聖 孫悟空――







焔は刀をフッとしまった





.

[ 138/201 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -