百拾八


西へと移動中
ジープで仮眠を取る三蔵一行


夜の暗闇の中で
悟空は流れ星を見た――





それは赤く力強い流れ星



それが墜ちた先で1台の車が炎上した――













夜中三蔵一行は近くの町に立ち寄った


空腹の為
夜遅くにやっている酒場で空腹を満たす事にした



不穏な空気の中
夜中まで開いているとは言え食材は殆どない店では満足も出来ず
悟空は不満を口に出す








「こんなんじゃ腹の足しにもなんねぇよォ」


「仕方ありませんよ
夜中でも開いていただけでも有り難く思わないと」








古びた食事処で
テーブルに顎を乗せて不満を言う悟空を八戒は宥めるものの


正直 美味い とは言えない店ではあった







「食ったならさっさと行くぞ
こんな店には長居は無用だ」








三蔵の一言は店員だけでなく
店内に聞こえる程の声で響いた








「おい兄ちゃん達
こんな店ってどういう事だ」








店主はガタリ…とカウンターから身を乗り出した








「こんな店に『こんな店』と言って何が悪い
いくらだ
どんな店だろうが金だけは払ってやる
有り難く思え」


「もう三蔵…」









三蔵はピッとゴールドカードを翳した








「ふざけんな!
一体何が気に入らねーってんだよ!」


「くせぇんだよ
テメェらの匂いがプンプンと」


「何だと!」









カランカラン…





店の入り口のドアが開き
客が入って来た


髪を結わえた穏やかな顔立ちの優男と
隻眼の男


店内を左右見渡し
三蔵一行を見るとフッと笑った気がした








「いたな」


「ええ」









2人は三蔵一行に聞こえない声で三蔵一行の後ろを通り過ぎた








あいつら…




三蔵は怪訝そうに顔を曇らせた




.


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