百拾四
三蔵の部屋からバタバタと出て来た惷香はドンッと八戒と廊下で肩がぶつかった
「あ…すみませ…」
「惷香?」
「八…か…」
ポロッ
涙がこぼれた
「惷香
どうしました?ちょっとこちらに」
そう言うと八戒は自分の部屋に惷香を通すと椅子に座らせ紅茶を淹れてくれた
「さぁこれでも飲んで下さい
今あの2人は外で遊んでいますから大丈夫ですよ」
「……ありがとう…」
惷香はマグカップを持つと紅茶に映る自分を見ると切ない顔をした
「何かありましたか?
僕で良ければ相談位乗りますよ?」
「八戒…ありがとう」
惷香は紅茶を口に運ぶとホッとした面持ちで溜息を付いた
「三蔵…ですね?」
「……」
「図星 ですか
確かに今日は不機嫌ではありますが気にする事ではないと思いますよ?」
「でも…」
「惷香
あなたが元に戻った経緯は知りませんが きっと三蔵のお陰なんですね?
もしそれから不機嫌なら何か言ったりしたとか…?」
「何か…?」
惷香は昨日の事を思い返した
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