百拾弐
話が一段落した頃に三蔵と惷香が注文した品が届くと
改めてお茶で乾杯をして食事を済ませた
三蔵は朝からまともに口を誰とも聞かずに黙ったままだった
3人はまた機嫌が悪いんだと深く気にもしなかったが
惷香は三蔵の様子をチラチラと見ては顔を伏した
そんな様子は周りの3人から見ても怪しさこの上ない状況で
元に戻った原因も三蔵なんだと口には出さずにも感じていた
その後外に出ると景色は一面銀世界だった
「わぁ…」
「おーこりゃすげェ」
「これでは車は出せませんねぇ」
「雪だぁー!」
息も視界も真っ白で 5人はブルッと身震いをした
「なぁ部屋戻ろうぜ…」
「ですね
このままでは先にも進めませんし
少し雪が溶けるのを待ちましょう」
「チッ」
そのまま5人は各自部屋へと戻り各々時間を潰す事となった
三蔵も部屋で新聞を読みながら部屋でコーヒーを飲んでいた
そこに
トントン
「誰だ」
「あの…惷香です」
「何の用だ」
部屋のドアを開けると椅子に座りメガネを掛け新聞を広げる三蔵が視線も向けずに惷香を迎えた
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