百拾壱


ちらりと三蔵を見るが三蔵は無言で席に着くと煙草に火を着けメニューを広げた








「じゃ惷香も元気になった所で何か食おうぜ!」


「てめェはいつもだろッ」


「今日は特別にいいだろー!」


「どんだけ喰う気だアホ猿」


「ほら惷香も食べてなかった分ちゃんと食えって!
こんなに痩せちゃったんだから!」








確かにカミサマに捕まってからと言うもの
惷香は食事は一切摂ってはいなかった




しかし、自分の能力で最低限の栄養は確保出来ていたのだが








「そー言えばさ
どうして惷香は食べないで平気だったんだ?
八戒は能力でどうにかしていたって言ってたけどさ
普通あぶねーじゃん?
どんな能力なの?」


「確かに僕も惷香の能力は詳しくは知りません
どんな能力があるんですか?」


「ん〜…まず指先から細い糸が出せるんだけど
それは人の中へ侵入して神経
血管などに通す事が出来るの」


「それは治癒だけではなく攻撃も出来ると?」








惷香はコクリと頷いた

お冷を店員が惷香と三蔵の前に置くと
注文を済ませ話を続ける








「糸は何百もの束となっているんだけど 体内で分離しどんな細い場所にも入り込めるの
毛細血管も入り込める」


「な〜るほど?
じゃ食わずに平気なのも糸から?」


「うん
私の身体が緊急的になると自然に救いを求めて無意識でもどこからか栄養や
そう、もし血液など足りない場合は摂りに延びる様になっているの」


「それってどこまでも伸びんの?」


「ううん
一応制限もあるけどメートル単位で延びる感じなの」

「ほ〜
何か触覚みてぇだな」


「悟浄と一緒にしては失礼ですよ?」


「お前が一番失礼だよな…」






.

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