百七


1人で歩く事もままならない惷香を
いつも通り悟空が部屋へと肩に抱き抱えて運び
ベッドに座らせた









「ってか
本当に三蔵が同じ部屋で平気なのかよ?」


「どーゆー意味だ」


「だってさ三蔵は惷香を運ぶ事だって出来ねーじゃん!」


「お前が運べばいいだろうが」


「まぁそーだけど」


「夕飯までに買い物を済ませておけと八戒に言っとけ
タバコも忘れんな
無駄使いすんじゃねーぞ」


「分かってるよッ」








悟空は三蔵からカードをバシッと奪うと部屋から出て行った


三蔵はチラッと惷香を見ると
溜め息を付きタバコをくわえ火を着け
窓を開けた


部屋には左右の壁際にそれぞれベッドがあり
丁度真ん中に窓がある


惷香はベッドに座り 窓からの風で髪が靡いた


三蔵は丁度ドア近くにあるテーブルと椅子に腰掛け
タバコを吸いながらメガネを掛けると新聞を広げた


たまにチラッと惷香を新聞の上から覗いてみるが
何1つ変わりもないので
また新聞に視線を落とした



次第に夕焼けが部屋を朱く染め
白いレースのカーテンも朱く染まり揺らめいた



三蔵は新聞を読み終えると
バサリ畳んでテーブルに置き
日が落ちて来たからと窓を閉めようと窓に近寄った








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