百参


「でも…よ
今回のきっかけになっちまったのは確かに俺らが惷香を置いてったってのは変わりはねぇんだしな…」








悟浄は罰が悪そうに頭をガシガシ掻きながら困った顔をした







「元はと言えば貴様があの時あの女を連れて帰ればあんな風にはならなかったんだがな」








三蔵も腕を組んだまま悟浄をギロリと睨む








「ちょ、ちょっと待ってくれよ!
確かに置いてったのは悪かったけど
仕方なかったって言っただろって!」








そう
神様から逃げ出したあの日

目覚めた三蔵に惷香を置いて帰った事を烈火の如く悟浄は怒りを喰らっていたのだった


抱えられた惷香を救うには
体力を回復しなければならなかった事


全員が逃げるだけで精一杯だった事

八戒まで三蔵の怒りを喰らって
尚もまた怒りを向ける三蔵に悟浄も八戒も悟空も困り果てた








「なぁ確か惷香が知らないヤツの名前を言ったんだよ
確かね え〜っと…」

「思い出せ
バカ猿」


「聞こえなかったんだって!
すんげー小さい声だったんだぞッ!?
確か こん…こん…」


「てめぇは狐か」


「だぁーっもうッ!
分かんなくなんだろッ!
こん…あ、こんてんだったかな?
ところてんかな」


「そりゃオメーだけだっつーの」


「こんてん?
こん…」








八戒は1人考え込んだ
以前観世音菩薩が三蔵に言った名前




【金禪童子】






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