九拾九


ステンドグラスの前でボンヤリと座る惷香を見つけ
悟空が近寄る








「惷香!!
大丈夫かよッ!?」

「悟…空?」


「しっかりしろってば!」


「あれ 金禪は…?
金禪どこ…?」


「え?
おいっ!惷香ってば!
しっかりしろって!」


「また置いて行かれたんだね…
私…」








様子のおかしい惷香に
悟浄に肩を借りて八戒も近寄って来た








「どうしたんです?」


「いや
惷香の様子がおかしーんだよ
何かまた置いて行かれたとか何とかって」


「神様に暗示を掛けられたらのかもしれません
意識を戻さないと」


「おいっ!惷香!
こっち見ろって!
ダメだこりゃ
視点合ってねーぞ」


「このままじゃ危険ですよ…」








その時城が大きく揺れた
神様が負けたら城は崩れて消えると言う








「彼女は…多分正気には戻らないよ」









神様は崩れゆく部屋で呟いた








「彼女も貰えるモノだったのに…
先生が彼女にこう言い続ければいいって…
彼女壊れちゃったんじゃないかな?」


「―チッ!」









崩れる城から三蔵は惷香を肩に抱き上げ
全員脱出する事が出来た


崩壊した城を目の前に全員は倒れ込んだ








「―――あ〜〜
何かもォ」



「「「「腹減った。」」」」








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