九拾六


三蔵の銃口が神様を捕らえたが
神様は惷香を抱き上げ
フワリ…と弾を避ける







「それじゃ前と変わんないよ?」








しかしすかさず後ろから悟空の如意棒
呼吸も置かず悟浄
八戒と攻撃が繰り出され

焦り出した神様は惷香と離れて攻撃に転じた





いくら攻撃しても4人の連携に身動きが辛くなった時
三蔵が口を開いた









「『うこく』
…だったな」


「…な…何でその
名前……?」


「ようやく思い出せたぜ
ムカつく事は忘れる性分なんで随分手間取ったがな
…覚えてないのか?
10年前もこんな風に遊び相手を探してただろう」








うこく
額に印を持たない異端の


【三蔵法師】



23歳にして当時最年少の三蔵法師で
わざとらしい軽口
含みを込めた耳に残る声
深い闇のような漆黒の髪と瞳
天地開元経文の1つ
“無天経文”の所有者であると






烏哭三蔵法師は任を降り
神様に託したと高らかに言う








「―それはどうだろうな」


「!」


「確かに貴様の師匠は三蔵だったかもしれん
だが貴様が本当にそれを継いだとしたなら
経文はどうした?」






.

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