九拾四
そんな日が続いた3日目――
神様は部屋には来なかった
どこかの部屋で壁が崩れたり
爆発している様な音と共に地響きが鳴っていたが
惷香はただボンヤリとしたまま天井を見上げたままだった
すると神様が部屋にいつも通りに現れた
「体調はどう?惷香ちゃん」
返事する気力すらない惷香に
神様は顔を覗き込んでクスクス笑う
「ね 惷香ちゃん
またあの人達が来たよ
けど君を迎えに来たんじゃないんだって
僕と遊びたいらしいんだ」
―無邪気な残酷さ
もうどうでも良かった
私はまた置いて行かれて
孤独なまま
500年も前から何も変わらないのだ
そう 何1つ――
「惷香ちゃん
僕のモノになってね
さぁおいで」
神様は床に寝転がったままの心を蝕んだ惷香に手を差し出した
惷香は手を
神様に差し出した―
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