九拾
「僕のセンセーの受け売りなんだけどね
『仏に逢えば仏を殺せ』
『祖に逢えば祖を殺せ』
『ただあるがままに己を生きる事』――」
神様は三蔵の近くにしゃがみ込み
ゆっくりと話をする
「…わかる?
捕らわれるなってゆー事なんだ
君らは執着し過ぎたんだ
生きる事とか勝ち続ける事に
…だからね」
神様は三蔵の【魔天経文】を取り上げながらニッコリ笑う
「君には“三蔵”を名乗る資格はないんだよ」
三蔵はガバッと起き上がり神様に銃口を向けるが
一瞬にして蹴り倒された
「ふふふっ
このおねぇさんも僕に頂戴ね
新しい僕の玩具にするから」
神様は血を流し気を失っている惷香を脇に抱え
高らかに笑う
「不様だネ」
一瞬の隙を狙い悟浄は神様に攻撃をすると
ジープが目くらましに飛びかかり車に変身し走り出した
「ズルイだろッ」
神様は脇に抱えた惷香を床に置くとジープ目掛けて飛んだが
八戒の気功で吹き飛ばされ
やっとの思いで逃げ出した
惷香を残して…
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